ここでは,国際開発研究科のサテライトラボのマシンを Linux で立ち上げた時の環境を前提に話を進める。
サテライトラボで使える Perl のバージョンは,Linux 版が 5.8.8,Windows 版が 5.10.0。バージョンの違いが問題になる場合には,その都度,授業で指摘する。他の環境で Perl を利用する場合には,Perl のバージョンを確認し,異なる場合にはバージョンによる違いに注意する。バージョンの確認は次のように,オプション -v を付けて Perl を実行する。
perl -v
Perl により処理可能な言語は特に限定されないが,Part I については,次の理由から主として英語を対象とした処理に限定して説明する。
英語以外の言語の処理については,Part III で扱う。
「改行」には,1)「行の先頭に戻る」という操作と 2)「次の行に進む」という操作が含まれる。
1行目 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 次の行に進む↓←───────────────┘行の先頭に戻る 2行目 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■
「行の先頭に戻る」ための制御文字が「復帰」文字 (Carriage Return, CR),「次の行に進む」ための制御文字が「改行」文字 (Line Feed, LF) である。
以下,「改行」「復帰」という制御文字のことを,それぞれ [改行] [復帰] などのように,[ ] で囲んで表わすことにする。
制御文字の本来の機能からすれば,改行のためには [復帰][改行] の二つが必要になるが,「行の先頭に戻る」という操作と「次の行に進む」という操作は一緒に行われることが普通なので,OS によっては [復帰] か [改行] の一方のみを用いて改行を表わす。UNIX 系の OS では [改行] のみを用いる。
UNIX 系 OS: [改行] \n Windows/DOS: [復帰]+[改行] \r\n Mac OS (Classic): [復帰] \r
サテライトラボのマシンでは Windows も Linux も使えるが,どちらの環境で作成したかにより,テキストファイルの改行コードが異なっていることがある。Windows 環境で作業して作成したファイルを Linux 環境で処理する場合,改行コードの違いにより Perl のスクリプトがうまく動かないこともあるので,注意する必要がある。
コマンドの先頭に付いている % はプロンプトを表わす。どのような文字がプロンプトとして使われるかは環境による。
% perl -v
% が付いた行は,そのまま,コマンドラインで実行可能なコマンドであることを示している。実行するときには,先頭の % をタイプしないこと。
コマンド,関数等の説明において,斜体 (イタリック) 部分は適当なものに置き換える箇所,立体部分はそのままタイプする箇所を表わす。
perl -e "スクリプト"
適当なものに置き換える箇所も,特に紛らわしくないときは,斜体にしないことがある。
perl -e "スクリプト"
次の例のように,省略可能な箇所は [ ] で括って表わす。
perl スクリプトファイル [入力ファイル] [> 出力ファイル]
[ ] がタイプすべき括弧そのものを表わすこともあるが,ほとんどの場合,文脈からどちらの意味か区別が付くであろう。